こんにちは。じゅんです。
私はこれまで30年間、JTBに在籍し、
お客様に旅をご案内してきました。
ハネムーンという人生のはじまりの旅。
お子様との、かけがえのない最初の旅。
そして、人生の節目となる、最後の旅。
さまざまな想いに触れながら、
お客様とともに時間を重ねてきました。
旅は、ただの移動ではなく、
人と人とが成長し合う、大切な“場”だと感じています。
「旅の仕事をしてきて、本当によかった」
今、心からそう思います。
JTBでの後半は、
ルックJTBのアジア商品企画に携わり、
多くのお客様をお迎えするためのコスト設計や、
イベント性のあるツアーづくりに力を注いできました。
けれどその一方で、
私自身が心から求めていた旅は、まったく違うものでした。
――「ひなびた温泉地で、こたつに入りながらみかんを食べる🍊」
そんな、静かで、何もない時間。
そして出会ったのが、
雪深い山形の山あいにある
肘折温泉でした。
最初に訪れたとき、
そこには雪と、十数軒の宿、
そして数えるほどの商店しかありませんでした。
正直に言えば、
「何もない場所だな」と思ったのです。
けれど――
そこには、
「何もない」どころか、
かけがえのないものが、たくさん待っていました。
福岡から来たHさん(写真右)。
群馬から訪れていた明るい女性。
茨城からバイクで来たライダー。
それぞれが、それぞれの事情や想いを抱えて、
この場所にたどり着いていました。
一人で訪れても、
地元の方々は自然に受け入れてくれて、
必要以上に踏み込まず、
けれど確かに見守ってくれる。
そんな、絶妙な距離感のあたたかさ。
気づけば私は、
何度もこの地を訪れるようになっていました。
そしてこの場所は、
「旅が人に与える力」を考える、
私自身の原点にもなっていきました。
一昨年、大学院にて
肘折温泉をフィールドに、
旅が人の心に与える心理的効果について研究を行い、発表しました。
そして今年、4月から。
その研究を、あらためて再開します。
これからは、
この肘折温泉から、
旅が人に何をもたらすのか。
なぜ人は、同じ場所に何度も帰りたくなるのか。
そんな問いを、
実際の出会いや体験を通して、
少しずつ綴っていきたいと思います。
「何もない場所」にある、
本当の豊かさを――
これから、皆さんと一緒に探していけたら嬉しいです。
じゅん(写真左)

